地方史情報

地方史研究雑誌目次速報 176号(2025.11)

飯澤文夫編|日外アソシエーツ制作(毎奇数月1日ポスト)

北海道岩手秋田山形福島茨城栃木群馬埼玉千葉東京神奈川新潟石川福井山梨長野岐阜静岡愛知三重滋賀京都大阪兵庫奈良和歌山島根岡山広島香川愛媛福岡熊本宮崎沖縄全国誌寄贈図書編集後記

北海道

文化情報 (405) 北海道文化財保護協会 2025.9


岩手県

花巻市博物館だより (76) 花巻市博物館 2025.8


秋田県

秋田歴研協会誌 (85) 秋田県歴史研究者・研究団体協議会 2025.7 コラム

 新日本国憲法が公布されて間もなく80年になる。社会は大きく変わったが、憲法だけは変わっていない。
 細川愛「日本国憲法の精神を子どもたちのもとへ~78年前、能代で作られた『新憲法漫画いろは歌留多』が語るもの」は、憲法施行の1947年に、文部省の憲法学習指定校になった秋田県能代市立第二中学校における、憲法かるた作りの経緯を振り返り、現代の課題を提起したものである。
 かるたの文は同校教諭たちが考え、イラストは当時能代に疎開し、同校に子どもが在学していた漫画家の池田さぶろが描いた。新憲法の啓発活動の為、帝国議会内に芦田均を委員長とする憲法普及会が組織され、そこでも、辰野豊らの議論に基づき、横山隆一画の『新いろはかるた』が作製されているが、能代二中のかるたは、新憲法の精神と条文をより忠実に表現し、生徒の学習に生かそうとする姿勢が明確であるという。
 <国の選良われらの代表>、<類例まれなる戦争放棄>、<男と女権利は同じ>、<手がるにきめるな国家の予算>、<一人一人がかしこくつよく>など、現代社会に照らしてドキリとさせられる。
 一方で、<まもり行へ最高法規>に、通行ルールを守って道路を歩く生徒らの絵が付けられるなど、立憲主義の意義をつかませる取り組みは不十分であり、現代においても憲法学習の盲点になりかねないと指摘する。
 「戦後80年、理想を掲げ続けている日本国憲法の精神の原点に立ち戻り、社会のあり方を再考するためにも、かつての能代二中の教師たちの熱意がこもった「新憲法漫画いろは歌留多」を改めて読み直す必要があるのではないだろうか」に共感する。


秋田歴研協会誌 (86) 秋田県歴史研究者・研究団体協議会 2025.9

北方風土 (84) 北方風土社 2025.8


山形県

伝国の杜だより (47) 米沢市上杉博物館置賜文化ホール 2025.3

民話 (53) 東北文教大学短期大学部民話研究センター 2025.8

村山民俗学会 (406) 村山民俗学会 2025.8

村山民俗学会 (407) 村山民俗学会 2025.9

村山民俗学会 (408) 村山民俗学会 2025.10


福島県

フークトーブ通信 (66) フークトーブ通信社 2025.8

まほろん (94) 福島県文化財センター白河館 2025.1

文字摺通信 (93) 文字摺歴史文化社 2025.8

文字摺通信 (94) 文字摺歴史文化社 2025.8

文字摺通信 (95) 文字摺歴史文化社 2025.9

文字摺通信 (95) 号外 文字摺歴史文化社 2025.9

文字摺通信 (96) 文字摺歴史文化社 2025.9

安蔵つうしん (36) 鈴木安蔵を讃える会 2025.7

安蔵つうしん (37) 鈴木安蔵を讃える会 2025.8

安蔵つうしん (38) 鈴木安蔵を讃える会 2025.8

安蔵つうしん (39) 鈴木安蔵を讃える会 2025.8

安蔵つうしん (40) 鈴木安蔵を讃える会 2025.8

安蔵つうしん (41) 鈴木安蔵を讃える会 2025.8

安蔵つうしん (42) 鈴木安蔵を讃える会 2025.8

安蔵つうしん (43) 鈴木安蔵を讃える会 2025.8


茨城県

ほない歴史通信 (116) 大子町教育委員会 2025.9

歴史文化研究(茨城) (12) 歴史文化研究会(茨城) 2025.8


栃木県

歴文だより (136) 栃木県歴史文化研究会事務局 2025.7


群馬県

Origin (103) 岩宿博物館 2025.2

群馬文化 (355) 群馬県地域文化研究協議会 2025.8

武尊ほたか通信 (183) 群馬歴史民俗研究会 2025.9


埼玉県

郷土博物館だより (51) 戸田市立郷土博物館 2025.3

研究紀要 (33) 戸田市立郷土博物館 2025.3

武蔵一宮 (32) 氷川神社社務所 2025.1

武蔵一宮 (33) 氷川神社社務所 2025.4

武蔵一宮 (34) 氷川神社社務所 2025.7


千葉県

我孫子市史研究センター・会報 (278) 我孫子市史研究センター 2025.7

我孫子市史研究センター・会報 (279) 我孫子市史研究センター 2025.8


東京都

板橋史談 (325) 板橋史談会 2025.8

奥武蔵 (462) 奥武蔵研究会 2025.10

北区史を考える会会報 (156) 北区史を考える会 2025.8

郷土資料室通信 (71) 東久留米市郷土資料室 2025.3

郷土資料室通信 (72) 東久留米市郷土資料室 2025.6

石神井公園ふるさと文化館ニュース (55) 練馬区立石神井公園ふるさと文化館 2025.6

世田谷区誌研究会会報 (53) 世田谷区誌研究会 2025.8

雑木林 (224) 多摩市教育委員会 2025.2

雑木林 (225) 多摩市教育委員会 2025.4

雑木林 (226) 多摩市教育委員会 2025.6

雑木林 (227) 多摩市教育委員会 2025.8

台東区立中央図書館郷土・資料調査室報 (15) 台東区立中央図書館郷土・資料調査室 2025.3

多摩地域史研究会会報 (167) 多摩地域史研究会 2025.8

たまのよこやま (140) 東京都埋蔵文化財センター 2025.3

博物館だより (140) 葛飾区郷土と天文の博物館 2025.3

Peaceあさかわ (146) 浅川地下壕の保存をすすめる会 2025.3

炉辺閑話 (72) 東京都杉並区立郷土博物館 2025.3


神奈川県

厚木市史たより (33) 厚木市 2025.9

浦賀文化 (80) 浦賀行政センター 2025.1

浦賀文化 (81) 浦賀行政センター 2025.4

浦賀文化 (82) 浦賀行政センター 2025.7

かまくら女性史の会newsletter (130) かまくら女性史の会 2025.9

古文書を読もう 11(2) 通号34 厚木市郷土資料館古文書解読会 2025.9

よこすか開国史かわら版 (58) 横須賀開国史研究会 2025.2


新潟県

高志路こしじ (437) 新潟県民俗学会 2025.8

新潟史学 (89) 新潟史学会 2025.8


石川県

七つ尾 (42) 七尾城址文化事業団 2025.4


福井県

若越じゃくえつ郷土研究 70(1) 福井県郷土誌懇談会 2025.7


山梨県

地域と社会 (17) 佐藤弘 2025.6


長野県

伊那路 69(8) 通号823 上伊那郷土研究会 2025.8 コラム

伊那路 69(9) 通号824 上伊那郷土研究会 2025.9 コラム

 矢澤静二「満蒙開拓青少年義勇軍とは何だったのか―上伊那の青少年義勇軍を中心に考える」(前・後編)を感銘深く読んだ。
 伊那市近現代史講座で、論考と同題の講義をしたところ、青少年義勇軍は初めて知ったという聴講者が少なくなかったという。そこで、戦争と平和について考える学習材料になるようにと、講義内容に加筆修正し、まとめたものである。前編は義勇軍の創設から戦後までの歩み、後編は戦後の義勇軍の動向を明らかにする。
 青少年義勇軍は、関東軍の提唱によるもので、開拓民であると共に、匪賊などを制圧する使命も帯びた武装移民である。16歳から18歳までの身体剛健、意志強固な青年が募集され、軍事訓練を受けて送り出された。
 その実態を、送出数と変化、送出態勢、上伊那教育会が果たした役割と責任、送り出されるまでの子どもの思い、現地での苦難、死の逃避行、犠牲者と結末、解散への国や県などの対応、上伊那教育会による救援活動、「少年の塔」の建立と慰霊に至る全容を、統計、行政資料、そして何より多くの体験団・証言によって解明した大変な労作である。
 開拓団についての研究書や体験談は数多く出ているが、青少年義勇軍に関し、これほどに実証的に記された論考は他にないのではなかろうか。
 「戦争は、為政者がその権力を行使して、人を人でなくする最悪の事態」と述べて、ガザやウクライナの現状に思いを馳せ、「満蒙開拓団・満蒙開拓青少年義勇軍の問題を検証しつつ過去に学び、平和の維持のために考え続けること、できることをやり続けることに努めたい」と結ぶ。


山河 (74) 満蒙開拓平和記念館 2025.9

辰野町資料 (132) 辰野町文化財保護審議会 2025.8

長野県民俗の会通信 (309) 長野県民俗の会 2025.9


岐阜県

三輪山真長寺文化財保存会だより (59) 安藤征治 2025.9


静岡県

静岡県近代史研究会会報 (563) 静岡県近代史研究会 2025.8

静岡県近代史研究会会報 (564) 静岡県近代史研究会 2025.9

彰往考来 (10) 静岡市歴史博物館 2025.3


愛知県

愛城研報告 (28) 愛知中世城郭研究会 2025.8

朝日遺跡だより (16) あいち朝日遺跡ミュージアム 2025.3

朝日遺跡だより (17) あいち朝日遺跡ミュージアム 2025.6

岩瀬文庫だより (85) 西尾市岩瀬文庫 2025.7

刈谷市歴史博物館NEWS (19) 刈谷市歴史博物館 2025.7

新編西尾市史研究 (10) 西尾市 2025.3

名古屋城調査研究センターだより (6) 名古屋城総合事務所名古屋城調査研究センター 2025.3

蓬左ほうさ (109) 名古屋市蓬左文庫 2025.6


滋賀県

湖国と文化 49(4) 通号193 びわ湖芸術文化財団 2025.10

天下布武 (42) 織田信長家臣団研究会 2025.7


京都府

会報和訶羅河わからがわ (292) 城陽の緑と文化財を守る会 2025.8

会報和訶羅河 (293) 城陽の緑と文化財を守る会 2025.9

都藝泥布つぎねふ (88) 京都地名研究会事務局 2025.8


大阪府

河内長野市郷土研究会誌 (67) 河内長野市郷土研究会 2025.9

つどい (442) 豊中歴史同好会 2025.8

つどい (443) 豊中歴史同好会 2025.9


兵庫県

西宮文化協会会報 (689) 西宮文化協会 2025.8

西宮文化協会会報 (690) 西宮文化協会 2025.9

歴史と神戸 64(4) 通号371 神戸史学会 2025.8


奈良県

さきがけ (79) 維新の魁・天誅組 2025.7


和歌山県

紀州古城館情報 (392) 和歌山城郭調査研究会 2025.5


島根県

歴史館だより (13) 米子市立山陰歴史館 2025.4

大社の史話 (223) 大社史話会 2025.7


岡山県

岡山地方史研究 (166) 岡山地方史研究会 2025.8

備前岡山 (47) 牛窓神社社務所 2025.7


広島県

県北どらくろあ (113) どら書房 2025.8

県北どらくろあ (114) どら書房 2025.9

「漱石と広島」の会会報 (23) 「漱石と広島」の会 2025.9

備陽史探訪 (242) 備陽史探訪の会 2025.7

みよし地方史 (127) 三次市地方史研究会 2025.8

わが町三原 (413) みはら歴史と観光の会 2025.8

わが町三原 (414) みはら歴史と観光の会 2025.9


香川県

文化財協会報 (209) 香川県文化財保護協会 2025.2

文化財協会報 (210) 香川県文化財保護協会 2025.2

文化財協会報 (211) 香川県文化財保護協会 2025.3

文化財協会報 (212) 香川県文化財保護協会 2025.8


愛媛県

いせき (199) 遺跡発行会 2025.5

いせき (200) 遺跡発行会 2025.6

いせき (201) 遺跡発行会 2025.7

いせき (202) 遺跡発行会 2025.8

伊予史談 (418) 伊予史談会 2025.7


福岡県

郷土久留米 (152) 久留米郷土研究会 2025.3

郷土久留米 (153) 久留米郷土研究会 2025.6


熊本県

熊本の自然と文化 (60) 熊本県博物館ネットワークセンター 2025.3

熊本の自然と文化 (61) 熊本県博物館ネットワークセンター 2025.7

熊本の地名 (286) 熊本地名研究会 2025.8

熊本の地名 (287) 熊本地名研究会 2025.9

水俣学通信 (79) 熊本学園大学水俣学研究センター 2025.2

水俣学通信 (80) 熊本学園大学水俣学研究センター 2025.6

Muse (12) 熊本県博物館ネットワークセンター 2025.4


宮崎県

地方史みやざき (70) 宮崎県地方史研究連絡協議会 2025.7


沖縄県

首里城研究 (27) 首里城公園友の会 2025.3


全国誌

史迹しせきと美術 95(4) 通号951 史迹美術同攷会 2025.7

城だより (680) 日本古城友の会 2025.8

城だより (681) 日本古城友の会 2025.9

大道芸通信 (404) 日本大道芸・大道芸の会 2025.7

大道芸通信 (405) 日本大道芸・大道芸の会 2025.8

大道芸通信 (406) 日本大道芸・大道芸の会 2025.9

日本の石仏 (186) 日本石仏協会 2025.8

まつり通信 65(4) 通号638 まつり同好会 2025.8

立命館大学国際平和ミュージアムだより 33(1) 通号96 立命館大学国際平和ミュージアム 2025.7


寄贈図書

黒羽藩主大関家の最重要史料 徳川将軍と黒羽藩領 大田原市黒羽芭蕉の館令和六年度企画展 大田原市黒羽芭蕉の館 2024.10

縄文時代の始まりと洞窟遺跡 岩宿博物館第81回企画展 展示図録 岩宿博物館 2025.1

東松山市文化財保存活用地域計画 概要版 2024

片岡日記 明治編 小田原史談会 2025.7

長野県に疎開した文化人 戦後80年に振り返る 長野郷土史研究会 2025.8



編集後記

 この夏、ずっと気になっていた、長野県下伊那郡阿智村の「満蒙開拓平和記念館」を訪ねました。

 長野県は、満蒙開拓団も満蒙開拓青少年義勇軍も全国で最も多くの人員を送出しています。その要因は、かつては貧困が言われていましたが、近年の研究で、教育者や地域有力者の影響力が分かってきました。上述の『伊那路』のコメントで触れた上伊那教育会もその一例です。

 同館の展示は、開拓地の様子は元より、送出に至る社会・政治事情から、帰還後の状況まで、歴史の流れが示されていました。また、体験記が数多く置かれ、肥沃の地での収穫の喜び、郷土に思いをはす祭りの楽しみ、思いもよらぬ苦難、現地住民の農地を奪った心苦しさ、死の逃避行中に中国人が分けてくれた食料で命永らえたことなどが率直に綴られていました。被害、加害の両面がよく理解できる構成で、素晴らしいことだと感じました。

 今月から、同館ピースサポートニュース『山河』を、提供いただけることになりました。

 『地方史文献年鑑』2024年版(2025年12月刊行予定)の準備を大車輪で進めています。

 当年鑑は1997年版以来、岩田書院、白鳥舎から刊行してきましたが、白鳥舎の活動停止により、2023年版(2024.12)をもって休刊を決定しました。しかしながら、嬉しいことに、日外アソシエーツにおいて、従前とほぼ同様の編集方針、体裁で引き継いでもらえることになりました。

 収録誌は2023年版より221誌増え、1945誌を見込んでいます。新生『地方史文献年鑑』にどうぞご期待ください。


地方史研究雑誌目次速報 176号 2025年(令和7年)11月1日 発行

編集:飯澤文夫

制作:日外アソシエーツmginfoアットマークnichigai.co.jp

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